▼基本情報
アークス登録名:ラムダ
種族:キャスト
性別:女
年齢:不明 (A.P.241.03/A.D.2028.03:EP4開始時点)
▼概略
A.P.241 現在 連合軍統合作戦本部局監査部大老委員査問会召還。2週間のべ100時間に渡る軟禁・詰問に対し全て論理的釈明を完了し後、大佐に昇進。
A.P.240 01年前
A.P.239 02年前
A.P.238 03年前 アークス資格取得。シグマ軍曹を部下に招き入れる。
A.P.237 04年前
A.P.236 05年前
A.P.235 06年前
A.P.234 07年前 フォトン技術研究所に外部顧問として入所。
A.P.233 08年前
A.P.232 09年前 虚空機関に関する第四ピリオド報告書提出。機密検討会に出席。軍需企業の解体統合の指揮官として数十人の汚職官僚の粛清及び再人事を行う。中佐に昇進。
A.P.231 10年前
A.P.230 11年前
A.P.229 12年前
A.P.228 13年前 ダークファルス【若人】アプレンティス戦役。大規模戦役にてアークスが総指揮権を発動させた初の作戦。アークスの決済権が財務会計部から独立する。監査部内に隠密特性の高い調査四課が設立。課長として就任する。
A.P.227 14年前
A.P.226 15年前
A.P.225 16年前 惑星アムドゥスキア龍族との関係悪化。相互不可侵条約締結。惑星開発公社にて大規模リストラ。軍代表監査官として人事整理事案に参画。
A.P.224 17年前
A.P.223 18年前
A.P.222 19年前
A.P.221 20年前
A.P.220 21年前
A.P.219 22年前
A.P.218 23年前
A.P.217 24年前 連合軍統合作戦本部局監査部着任。少佐に昇進。これ以前の記録は抹消されている。
▼戦死(KIA)判定後に親展として通達される遺言書より抜粋
ラムダ「今でこそアークスがオラクルの代表軍属のように世間で扱われていますが、指揮系統が開放されたゲリラ戦法が基本戦術な軍隊など、もはや軍隊と呼ぶべきではないのです。ダーカーをハントするだけの、傭兵の寄せ集め、そうギルド(組合)化されたハンターズとでも呼称すべきです」
ラムダ「連合軍が私の新しい体としてキャスト化手術の為の、多額の拠出金を提供した理由は、私の数字に関しての執着心を評価したからでした。また計算能力を増幅する生体チップの治験、いえ、生体実験のサンプルとして契約書に同意させられ、残りの人生を全て軍に捧げる事を強制され、故に生命的な死を免れる為の唯一の選択肢として、文化的な死について妥協したのです。フォトン循環異常という難病を回復する手段は現在においてもキャスト化がもっとも高確率なものである訳で、そのスポンサーが軍であるのはむしろ幸運と考えるべきでしょう」
ラムダ「私の性格、能力、そして軍という権力と最新のボディ。その全ては最高のパフォーマンスを得、軍監査部の即戦力として活躍することとなりました。オラクルの経済の根幹はフォトン関連企業が占めています。そしてその企業の取引先は連合軍でありアークスでした。ダーカー殲滅の大義名分のもとに黙認されていた、多くの不適切な資金の流れ、不正、汚職、賄賂、物資流出。会計監査によってこれらの闇を暴き立て、罪に相応しい罰を、いえ、私は破壊神のごとく多くの組織、人、システムを暴風の如く慈悲の無い壊滅的打撃を与え続けました」
ラムダ「自らを正義の使者と思った事はありません。ただ人の利己的な、その場限りの打算的な、浅薄な、そういった愚鈍で下劣な行為を憎んだだけのことです。美しくないものを下水に流す掃除人。それが自己評価でした。しかしその評価も長い年月を経て変化せざるを得ませんでした。私の監査は完璧ですが、様々な政治的配慮から不正は新たな法案によって正当化されたり、企業の統廃合によって利益の再配分がなされただけだったり、政敵の失脚の為だけに小さな不正を拡大解釈して過大な罰を与えたり、私は美しいものを求める為の醜い組織の手先に成り果ててしまっていたのです」
ラムダ「個人の能力の限界を感じました。そして極端に言えば人生の空虚さを感じました。私にはこの仕事しかないのに、そこにはなんの生産性も無かった。死に意味が無いのならまた生にも意味がない。それが真理だったのか。絶望はしませんでした。人の肉体を捨てた時に、満たされるべき希望への疑問があったのでしょう。予感が現実化しただけの事だったのです。機械的な処刑人。監査部調査四課の正体はそれだったのです」
ラムダ「監査部最大の敵は勿論研究部です。虚空機関の強大な権力への小さな小さな抵抗勢力。私の力も虚空機関に比較すれば巨象と蟻の如しでした。ある日、虚空機関の裏の関連組織である重要な歯車の一つとして機能していた、フォトン技術研究所。これが私の新たなターゲットになりました。虚空機関はアークスにとって必要不可欠な存在であり、つまりオラクルにとっての絶対必要悪という地位にいる為、我々の行動は筒抜けです。むしろ、自らの肥大化した組織の膿を絞り出す為に監査部を逆利用している状況ですらあります。フォトン技研への秘密調査はむしろなんら秘匿されず正面から行われました。私が外部顧問としてフォトン技研に着任すると、実質的な責任者であるオメガ副所長への審問会議を幾度と無く繰り返すことになりました」
ラムダ「するとオメガ副所長は悪びれることもなく、数々の疑念、疑惑について、そこに不正があったことをあっさりと認めたのです。会計上の不備などは雑多に恣意的に扱われていたわけではなく、精密な計算の上に法律を利用し、もしくはルールを破り、金銭の流れは暗黒面に注ぎ込まれるままとなっており、オメガ氏はこれが報告されたならば、さしもの虚空機関でも隠蔽しきることは不可能であり、その打撃は計り知れないだろうと他人事のように語るのです。私は長い職業的経験の上で驚きを隠せませんでした。卑屈に言い訳をしたり、尊大に正当化したり、周到に保身に走ったり、もしくは全く自覚無き不正であったり。どのパターンに当てはまらない、とても穏やかな態度。否定も肯定もなく、観察者であるかのような泰然とした姿」
ラムダ「知った以上は報告を止める事はできないと宣言した私に、オメガ副所長は語りかけて来ました。取引、だと思いました。しかし違いました。これはただの会話であり、説得ですらありませんでした。その時の会話の内容をここに詳しく記す事はできません。オメガ副所長には目的があり、法律を無視することを厭わないという判断にも、理由があったのです。漫画に存在するヒーローが法的に裁けない悪を超法規的に討伐する、これに近い理屈なのかもしれません。私は彼が目指す計画とその手段に驚嘆しました」
ラムダ「オメガ所長との会話は長く長く、そして長く続きました。意見を述べ合い、分析しあい、善悪でも順法違法でも好き嫌いでもなく、あらゆる制約を無視した道なき道を生み出す旅路のプラン。オメガ副所長が示した価値観は私の未来を照らすものであり、空虚は有意に、諦観は情熱に、世界は色を取り戻す事となったのです。人の全ての行動がエゴイズムに根ざす事を認め、愛や理想や清廉さは物事の一局面にすぎず、ただ好奇心こそが生きる理由であると。尊敬や信頼は手段ではなく結果である。個が個としてささやかな発奮をただただ孤独にしかして楽しげに行い、周囲が共振しあうこと。これが集団知であると。概念的なポジショニングのみならず、合理的具体的なプランを持つオメガ副所長は大言壮語を吐く詐欺師なのか、扇動的革命家なのか、はたまた自己陶酔の夢想家なのか。私にはそのどれとも思えませんでした。そして信仰にも似た念を彼に感じてしまいました」
ラムダ「人に惚れるというのは自らの意思を他者に依存することとなる。それくらいは自覚的です。しかし私は彼の側であれば何かをなすことができる気がしてなりませんでした。これからの事を具体的に分析し、計画し、実行し、評価する。オメガ副所長は師匠であり、同志であり、ライバルであり、影響しあう関係でなりたい。動物的な恋愛や、制度的な結婚を超越し、愛情のような友情のような崇拝のような、つたない語彙力では表現しえない関係に。そんな得体の知れない何かを私は得ました」
ラムダ「オメガ副所長に出会って数年。微力ながらお手伝いをしつつも、自らのやりたいことをみつけて、実行して、小さな目標を次々と達成し、私の秘密の目標に向かって充実した人生を取り戻したのは彼のおかげですが、お互いの小さな自分の足で大地を蹴って、それぞれの人生を個別に生きているだけなのです。死の無意味も、生の無力も、いずれも消える事なく、しかしてそれらの苦悩はただの前提であり、それでも心に自由を得ることはできるのです」
ラムダ「近い将来に訪れるであろう死に対する畏れは消える事はありませんが、死を受け入れる準備は少しずつ整えられる気がします。全てを受け入れる事は不可能でしょうが。私の死を嘆いてくれる人がいるとしたならば、私は感謝していると思って下さい。不満と無念と共に私は死ぬでしょう。しかしそれは仕様なのだから、無闇とがっかりする必要はないのかもしれません」
ラムダ「これは遺言ですが、死後の処理は自由にお任せします。私の生きた小さな記録を誰かが読むかもしれない、それだけで小さな笑みが生まれます。というわけで、さようなら。先に行きます。おやすみなさい」
この遺言の受取人はシグマ軍曹宛てとなっていた。シグマがこれをいつか受け取るのかはまだ結論に至っていない。
▼もうひとつのマターボード
無数に配られたマターボード。そのひとつひとつが可能性と可能性の隙間を縫う一本の針である。紡ぎだされる物語は僅かな波動で容易に破滅へと収束する。もしかしたら訪れたかもしれない一つの未来。絶望の扉の鍵穴を覗くのは深淵を見る事にほかならないのだ。ラムダの辿り着いた一つの像を、ここに紹介しよう。
識別:ダークファルス【秘鍵】デクリプション
象徴:迷路を司るダークファルス
眷属:交通標識系ダーカー
弱点:風
解説:入り口も出口も無い精神迷路に取り込むことで行動を縛る。一定の行動ルールを守れば迷路を抜けられる場合もあるがルールそのものが変動する。複雑に交差する路地裏の迷宮。道を進むのではなく壁を破壊しなければ時空を彷徨うこととなってしまう。
▼メタ視点からの評価
全キャラ中で一番気に入っているキャラ。造形的にも人格的にも。一番共感できるかもしれない。でも自己投影しているつもりは無いですよ。ラムダほど人生を諦めてもいないし、ラムダほど人生を楽しめてるわけでもない。また、オメガとの関係性をうまく表現するのが難しくて、脳内では形になってるんだけどなんかうまく言えないです。ラムダのキャストになる前の人生についてはまったく妄想が進まないですね。知らなくていい範囲って気もします。アークスの英雄演出は本編で嫌というほどみてるし、本編でアークスの暗部とか薄っぺらい単語が出てくるけど、本気でアークスの暗部は闇が深いと思うし、そこにラムダはどっぷり浸かってしまったのだろうなあとも思います。闇からの脱出にオメガ教授が少しお手伝いというレベルです。ラムダの遺言状については「何言ってんだコイツ」と思ってもらえたら本望です。中二病的黒歴史でいいのだ。
スポンサーサイト